平成 22 年

元旦の 祝いの膳に 輝いた 婿殿みやげの シークアーサー
「流れ星」 夫の声に 見上げれば 満天の星 二人を見てる 
那覇からの Tシャツ短パン 写メールに 飛騨から返信 着ぶくれ姿
シクラメン 咲く窓越しに 降る雪が 枯れ木にどんどん 花をつけゆく
梅の木の 畑は鹿の レストラン 草食み糞を 残してお帰り
「着る物は もう要らない」と 言う夫の セーターを編む これは脳トレ
投稿歌 はじめて歌壇に 載った日の あのときめきは 今も清かに
3月、長い間楽しみに学ばせていただいた岐阜歌壇が終わり、4月から東海歌壇(岐阜、三重、名古屋)となりました。
岐阜歌壇の選者、細江仙子先生に選んで頂くことが最高の喜びだった長い年月の感謝の気持ちを上記の歌を添え先生にお礼の葉書を送りました。
先生から「お会いしてなくても何時もお会いしているよう気がしていました。」 とても、とてもうれしいお返事をいただきました。
新しい 歌壇ははるか 遠くても 止まらず行こう 桜咲いてる
沖縄に 嫁した娘の 日々のこと 伝えてくれる 婿殿メール
水張りし 田に水鳥が 二羽降りて 旅の途中か しばし休憩
雪が載る 乗鞍を背に しだれ桜 待ってましたと 満々の花
雨の音 夫の電話の 長話 交互に聞きつつ サマーニット編む
タクトふる 指揮者が田にも いるようで 蛙のコーラス ピタッと 止まる
子が夢を 語ればついつい こっちまで 一緒に夢を 見てしまいそう
朴葉寿し 那覇の町まで 届けます 庭の山椒に 茗荷竹載せ
猫の目の ように支持率 変わってる 梅雨の合間の 新聞整理
         岡井 隆先生選 朝日新聞東海歌壇入選
我が道を 目指してカボチャ つる伸ばす 梅雨の恵みを 満身に受け
頂きし この時この今 抱きしめて 那覇の地にいて 初孫を待つ
朝ドラの 台詞も掻き消す 蝉の声 溢れる命 沖縄の夏
娘(こ)が母に なるまでと命 乞うた日を 思い出しつつ 初孫を抱く
ときめいて いつも会いたい 人が出来 その名は「わかな」 娘の娘
どちらかが 張り切り出せば どちらかは 引いて見ている 夫婦バランス
頂きし 手漉きの和紙に 似合う歌 まだ詠めずいる 山色づいても
熊が来て こんなになったと 栗の木は 幹裂け枝折れ 満身創痍
来年の トマトの餌だと 山のよに 集めた落ち葉の 写真が届く
 
平成 23
ボーボーと 来る年知らせる 汽笛鳴り 那覇泊港 おだやかに明け
初孫を 抱いて新年 迎えたよ ただ健やかに それだけ願い
夫ともに 零下の飛騨を 逃れ来て 孫住む土地に 甘えて過ごす
孫を抱き 海に入り行く 夕日見る 孫は島人(しまんちゅ) 我は山人(やまびと)
手をたたき 足をトントン 打ち鳴らし 孫と二人の CDタイム
帰り着き 旅荷を解けば ほんのりと 発った地那覇の 温みが残る
3月11日に
茶を飲みつ 見てたテレビが 映し出す 押し寄せる波 呑まれ行く街
人間の 力のはかなさ まざまざと テレビは映す 津波のまえに
三月と 言うに粉雪 舞い上がり テレビは津波の 猛威を映す
日本の地で起きている目を覆うような状景をどうすることも出来ず、リアルタイムでただ見ているという、、、、、、この時代に生きていることのつらさを思いました。
見せたいな 若葉の山も 野の花も 初めて飛騨に やって来る孫
花摘んで 孫の小さな 手に渡す あなたは宝 みんなの宝
沖縄で生まれた孫が、4月27日初めて我が家にやって来ました。慣れない環境を心配しましたが孫はとっても元気に家中を這い這いしてまわり庭の花を見ておーおーと喜び手足をバタバタ振って抱っこ抱っこと要求し「孫はハイハイ、じじばばはハイ」の嬉しい嬉しい二週間を過ごすことが出来ました。
         小さな小さな秋の幸せ
到来の 鮎の塩焼き 芋の汁 間引き菜おひたし 二人の夕餉
ことことと 栗の甘露煮 出来上がり 二人で縁側 ティータイム
アイフォン 何度も二人で 覗いてる 孫が歩くよ 靴はいてるよ
平成 24
孫が生まれて二度目のお正月を、みな揃って那覇で迎えました。孫と同じくらいのお子さんを連れて福島から避難しておられる二組の若いお母さんと那覇の喫茶店で出会いました。「原発」のむごさをひしと感じ、一日も早く御家族揃って安心して暮らせる日の来ることをただ祈るしかありませんでした
載せようか 飛騨の小さな 家の屋根に 太陽光の 発電パネル
     高野公彦先生選 朝日歌壇 入選

           高野先生評: 飛騨の小さな家から発せられた原発ノーの声

真っ白な 半紙を前に 正座する 六十五の 手習い始め
墨汁を 筆に含ませ まず一と 半紙になぞり 手習いスタート
飛騨に来た 近江シャモ5羽 菜園を 日々闊歩して 元気ふりまく
5月23日に宅急便で送られて来た時はこんな可愛いひよこでした。那覇からやって来た孫も大喜びで毎日一緒に遊びました。
ここはもう 天国ですか 黄龍の 五彩に輝く 池にしゃくなげ

      友と 6月チベット民族の住む九寨溝・黄龍へ

文化祭 場違い顔で 並んでる 手習い始めの 作品一つ
平成25年
雨の中 黙々歩く 登山ツアー 秋田駒ヶ岳 全山ずぶ濡れ

ありがとう 八甲田山 大岳に この足で来て この足で立つ
ありがとう 爽やかな風が 渡ったよ 海原越えて 有生君の詩
      沖縄慰霊の日に読まれた安里有生君の詩を聞いて
山間に 立つ送電の 鉄塔を スカイツリーと 那覇から来た孫
盆が過ぎ 孫が帰った 山里に 赤とんぼだけが 飛び交っている
手をつなぎ 同じ歩幅で 山カップル 徳沢の秋を 颯爽と行く
もう足が 上がらないまま 立ちつくす 涸沢小屋を 目の前にして
娘( こ )が二人 着た晴れ着つけ 孫が行く 波の上宮 七五三参り

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平成26年からは、こちらのブログにて更新しています。

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